近年、ベトナムはIT産業の発展が著しく、多くの外国企業がこの国に進出しています。特に日本企業にとって、ベトナムはコスト競争力が高く、IT人材が豊富で、地理的にも近いことから魅力的な市場です。しかし、現地における会社設立や運営には独自の課題が伴います。本記事では、ベトナムにおけるIT企業設立手続きと、日本企業が直面する機会と課題、そしてEOR（Employer of Record）サービスがいかにこれらの課題を解決できるかについて詳しく解説します。

ベトナムでのIT企業設立手続き

ベトナムで企業を設立するには、以下の手続きが必要です。

a. 事業計画書の準備

企業設立の第一歩は、事業計画書の作成です。計画書には、事業内容、目標、投資額、資金調達方法、採用計画などを詳細に記載する必要があります。ベトナムの法律では、事業計画書が投資登録証明書（IRC）取得の基盤となるため、特に注意が必要です。

b. 投資登録証明書（IRC）の取得

外国企業がベトナムで事業を行う場合、IRCの取得が必要です。申請には以下の書類が必要です：

• ・事業計画書

• ・投資家の身分証明書やパスポートコピー

• ・財務状況を証明する書類

• ・登記予定地のリース契約書

IRCは通常、申請から15～20営業日で発行されます。

c. 企業登録証明書（ERC）の取得

IRCの取得後、企業登録証明書（ERC）を申請します。この証明書は、会社名、所在地、代表者、資本金などを登録するために必要です。ERCの申請は、通常5～10営業日で完了します。

d. 税務登録と銀行口座の開設

ERCを取得した後、税務登録を行い、企業用銀行口座を開設します。税務登録には、会社印鑑やERCのコピーなどが必要です。銀行口座の開設も重要で、資本金の払い込みや従業員給与の支払いに使用されます。

日本企業が直面する機会と課題

a. 機会

1. コスト競争力
   ベトナムの労働コストは日本と比較して非常に低く、高いスキルを持つIT人材を低コストで採用できる点は大きな魅力です。

2. 若い労働力
   ベトナムの人口の約半数は35歳以下で、ITスキルを持つ若い労働力が豊富です。

3. 市場の成長性
   ベトナムのデジタル化の進展により、ITサービスの需要は年々増加しています。日本企業にとっては、オフショア開発だけでなく、ベトナム国内市場への参入も視野に入ります。

b. 課題

1. 法規制の複雑さ
   外国企業に対する規制が多く、法的手続きの複雑さが進出を難しくしています。特に労働法や税法の変更は頻繁に行われ、適切な対応が求められます。

2. 文化の違い
   ビジネス文化の違いは、現地従業員とのコミュニケーションや業務管理において課題となることがあります。

3. 人材管理の難しさ
   優秀な人材を確保することは可能ですが、競争が激化しており、離職率の高さも問題となっています。

DevworksのEORサービスが提供する価値

日本企業がベトナムにおけるこれらの課題を克服するために、DevworksのEORサービスは大きな助けとなります。EORとは、現地の雇用に関する手続きをDevworksが代行するサービスです。この仕組みにより、企業は直接現地法人を設立する必要がなく、迅速かつ効率的に事業を開始することができます。

EORサービスの利点

1. 法的手続きの簡略化
   Devworksが現地法規に基づき従業員を雇用し、企業のコンプライアンスリスクを軽減します。

2. コスト削減
   法人設立や管理にかかるコストを削減し、コアビジネスに集中できます。

3. 柔軟性の向上
   プロジェクト単位での採用が可能になり、事業規模に応じた柔軟な運営が実現します。

4. 文化的サポート
   Devworksの現地チームが企業と従業員間の橋渡し役を務め、文化的ギャップを埋めます。

ベトナムでIT企業を設立することは、日本企業にとって大きなビジネスチャンスを提供します。しかし、法規制や文化的な課題を乗り越えるには戦略的なアプローチが必要です。DevworksのEORサービスを活用することで、これらの課題を効率的に解決し、ベトナム市場への迅速な参入が可能となります。

今後、さらに多くの日本企業がベトナムで成功を収めるために、Devworksがその一翼を担うことが期待されます。