デジタル変革時代において、ITエンジニアは最も収入の高い職種の一つです。本稿では、ITエンジニア職の定義、仕事内容、キャリア展望、収入相場について包括的にご紹介します。

1. ITエンジニアとは?
1.1. ITエンジニアの定義
ITエンジニアとは、複雑な情報技術システムの設計・開発・導入・保守を専門とする技術者です。コンピュータサイエンスの深い知識とプログラミングスキルを駆使し、デジタル化が進む現代社会の課題解決を支えています。
主な役割:
● ビジネス要件を技術ソリューションに変換
● セキュアで柔軟なITシステムの構築・最適化
● データ統合管理と互換性の確保
● 組織のコアデータ保護
情報技術エンジニアとは、コンピュータシステムとデジタル技術に関する深い専門性を持つ技術専門家を指します
ITエンジニアの専門分野
ITエンジニアリング分野は、多くの専門分野に分かれており、各領域には独自の特性と専門スキル要件があります。以下が主な専門分野です:
ソフトウェア開発 (Software Engineering)
ソフトウェア開発は、アプリケーションの設計・開発・テスト・保守に特化した分野です。プログラミング言語や開発ツールを駆使し、Web/モバイル/組み込みシステムなど多様なプラットフォーム向けのソフトウェアを開発します。
サイバーセキュリティ (Cybersecurity)
サイバー攻撃の増加により、情報セキュリティは企業存続の重要な課題です。セキュリティエンジニアは、データとシステムを保護するため以下の活動を行います:
主な業務:
● ファイアウォール/暗号化技術の導入
● 侵入検知システム(IDS)の監視
● インシデント対応とフォレンジック調査
三大要素の保護:
● 機密性 (Confidentiality)
● 完全性 (Integrity)
● 可用性 (Availability)
データサイエンス (Data Science)
データの爆発的増加に伴い、データサイエンスはデータから価値を引き出す重要な分野となっています。データサイエンティストは、統計技術、機械学習、データマイニングを用いてデータを分析し、傾向やパターンを見つけ出し、予測を行います。彼らは組織がデータに基づいた意思決定を行い、業務効率を改善し、新しい製品やサービスを創出することを支援します。
システム・ネットワーク管理 (System & Network Administration)
システムとネットワークを安定かつ効率的に運用するためには、専門の管理者が必要です。システム/ネットワークエンジニアは、コンピュータシステム・ネットワーク・サーバーの構築・設定・保守・監視を担当し、システムがスムーズに動作し、安全かつユーザーの要求を満たすことを保証します。
人工知能(AI)&機械学習 (Machine Learning)
AIと機械学習は急速に発展している分野であり、私たちの生活や働き方を変革する可能性を秘めています。AIエンジニアは、コンピュータがデータから学習し、タスクを自動化し、インテリジェントな意思決定を行うためのアルゴリズムやモデルを開発します。彼らはAIと機械学習を、画像認識や音声認識から予測分析やレコメンデーションシステムまで、さまざまな分野に応用しています。
ITエンジニアの仕事内容
ITエンジニアの一般的な業務
ITエンジニアの業務範囲は多岐にわたります。キャリアの方向性に応じて、プログラマー・テスター・プロジェクトマネージャー・システムアナリストなどの役割を担い、それぞれに専門的なスキルと知識が要求されます。.
しかしながら、ITエンジニアのほとんどが共通して行う業務がいくつかあります:
● システム設計:ITエンジニアは、ソフトウェアシステムとITインフラの設計プロセスに参加します。ユーザー要件を分析し、技術的ソリューションを提案し、詳細な設計書を作成します。
● ソフトウェア開発:ITエンジニアは、コードの記述、テスト、およびソフトウェアアプリケーションのデプロイを行います。プログラミング言語、ツール、および方法論を使用して、高品質なソフトウェア製品を作成します。
● システム保守:ITエンジニアは、ソフトウェアシステムとITインフラが安定かつ効率的に動作することを保証します。メンテナンス作業、バグ修正、およびシステムのアップグレードを実施します。
ITエンジニアの業務は多岐にわたる専門分野で構成されています
ITエンジニアの専門分野別具体的業務内容
専門分野により、ITエンジニアは以下の4つの主要領域で異なる業務を担当します:
ソフトウェア開発
ソフトウェア開発エンジニアは、アプリケーションの設計・構築・完成に注力します。Java/Python/C++などのプログラミング言語を使用して、プロジェクト要件に沿ったソースコードを作成します。
コーディングだけでなく、期待通りにソフトウェアが動作するよう徹底的なテストを実施し、製品リリース前にバグを発見・修正します。展開段階では、運用チームと密接に連携し、実際の環境へのスムーズな導入を実現します。
システム/ネットワーク管理者の役割
この分野では、ITエンジニアが組織のITインフラの設計と構築を担当します。彼らはサーバーやネットワーク機器の設定・管理を行い、安定かつ安全な接続を確保します。
定期メンテナンス作業により、システムは常に最適な動作状態を維持し、ビジネスニーズに対応できるよう準備されます。障害発生時には、これらのエンジニアは迅速に原因を特定し、ダウンタイムを最小限に抑えるために対処します。
サイバーセキュリティ
ITエンジニアのうちサイバーセキュリティ専門家は、デジタル資産の「守護者」としての役割を担います。重要なデータを保護するため、多層防御システムを構築し、サイバー攻撃を阻止します。
主な業務内容:
● システムの継続的監視
● 異常アクセスの早期検知
● インシデント発生時の迅速な対応
● 最新の攻撃手法に関する知識の不断の更新(常に攻撃者より一歩先を行くため)
データ分析
ビッグデータ時代において、データ分析を専門とするITエンジニアは、企業が膨大な情報から価値を引き出すことを支援します。これらの専門家は、先進的なツールとアルゴリズムを使用してデータを処理・分析・可視化します。分析結果は価値ある情報に変換され、経営陣が実データに基づいたビジネス判断を行うことを支援します(直感ではなく)。
ITエンジニアの最新給与動向
IT業界の給与概要
2024年の労働市場レポートによると、ベトナムのITエンジニアの平均月収は1500万~4500万VND(約7.5万~22.5万円)で、経験、専門性、職位によって異なります。
特にハノイやホーチミンなどの大都市では、多国籍企業や大手IT企業を中心に、さらに高い給与水準が期待できます。
世界的に見ると、ITエンジニアの給与は国によって大きく異なります:
● アメリカ:年間8万~15万USD
● ドイツ・フランスなど欧州諸国:年間6万~10万EUR
● シンガポール・日本などアジア市場:年間6万~9万USD
経験別・ITエンジニアの給与詳細
経験レベル | 平均月収(VND) | 備考 |
新卒(未経験) | 600万~800万 | インターンやジュニアエンジニアとしてのポジションが一般的 |
2年目(実務経験2年) | 1,000万~1,500万 | 正社員として採用され、小規模プロジェクトを担当可能 |
ミドル(5~7年経験) | 2,000万~3,000万 | シニアエンジニアやチームリーダーとして大規模プロジェクトを主導 |
ベテラン(10年以上) | 3,500万~6,000万+ | CTO(最高技術責任者)や技術ディレクターなどの管理職ポジションが対象 |
3.2 ITエンジニアの給与に影響する要因
ITエンジニアの実際の収入は、以下の主要な要素によって大きく変わります:
● 経験年数:実務経験は給与に影響する最も重要な要素です。
● 専門分野:人工知能(AI)、データサイエンス、サイバーセキュリティなどの専門分野は、他の分野に比べて給与水準が高い傾向があります。
● 企業タイプ:多国籍企業や大手テクノロジー企業は、中小企業に比べて高い給与を提供する場合が多いです。
● 勤務地:ハノイやホーチミンなどの大都市では、他の地域に比べて給与が高くなる傾向があります。
● ソフトスキル:コミュニケーション能力、チームワーク、問題解決能力も、より良い給与を得るための重要な要素です。
ベトナムのITエンジニアの月収は、約840万~2,740万VND(日本円で約42,000~137,000円)の範囲が相場です。
4. ITエンジニアのキャリアパス開発ロードマップ
4.1 ジュニアからシニアへの成長ステージ
ITエンジニアのキャリアは通常、複数の発展段階を経て進みます。各段階で必要とされるスキルと責任が異なり、これらのレベルを明確に理解することで、効果的なキャリア開発が可能になります。
ITエンジニアの典型的なキャリアレベル分類:
レベル | 経験年数 | 主な職務内容 |
インターン/新卒 | 0-1年 | 簡単なタスクを割り当てられ、経験豊富な同僚からの指導を受ける。通常6ヶ月~1年程度の期間。 |
ジュニアエンジニア | 1-2年 | 中程度の複雑さのタスクを独立して処理可能。ただし上級者の監督が必要。 |
ミッドレベルエンジニア | 3-5年 | 複雑な問題解決が可能。自立して作業し、ジュニアメンバーの指導を開始。 |
シニアエンジニア | 5-8年 | 技術的熟練に加え、プロジェクトリーダーシップ、重要な意思決定、技術戦略策定能力を発揮。 |
テクニカルリード/アーキテクト | 8-10年 | システム設計、重要な技術的決定、チーム/会社全体の技術方向性を主導。 |
CTO(最高技術責任者) | 15年以上 | 企業全体の技術ビジョンと戦略を策定。経営陣として組織を導く。 |
4.2 キャリアアップに必要な資格・スキル
ITエンジニアがキャリアを進めるためには、実務経験に加えて専門スキルと資格の取得が不可欠です。特に国際的に認知された専門資格は、スキルレベルの証明として有効です。
主要IT資格一覧
ソフトウェア開発
● Oracle認定Javaプログラマ (OCPJP)
● Microsoft認定: Azure開発者アソシエイト
● AWS認定デベロッパー – アソシエイト
● Kubernetes認定アプリケーション開発者 (CKAD)
サイバーセキュリティ
● CISSP(公認情報システムセキュリティプロフェッショナル)
● CEH(認定ホワイトハッカー)
● CompTIA Security+
● CISM(公認情報セキュリティマネージャー)
データサイエンス
● Microsoft認定: Azureデータサイエンティスト
● IBMデータサイエンス・プロフェッショナル認定
● Googleデータアナリティクス認定
● Cloudera認定データサイエンティスト
システム/ネットワーク管理
● Cisco CCNP認定
● Red Hat認定エンジニア (RHCE)
● CompTIA Network+
● Microsoft認定: Azure管理者アソシエイト
人工知能(AI)
● TensorFlow開発者認定
● AWS認定機械学習スペシャリスト
● Microsoft認定: Azure AIエンジニア
● Googleプロフェッショナル機械学習エンジニア
ITエンジニアは、デジタル時代において最も将来性のある職業の一つと言えるでしょう。人工知能(AI)、クラウドコンピューティング、サイバーセキュリティの急速な発展が新たな機会を生み出しています。これらの分野に特化したスキルを持つ専門家は、高い収入を得られるだけでなく、キャリアアップの機会にも恵まれています。
著者: Lưu Quang Linh
キーワード: ITエンジニア
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